依存症とは、生活や健康、人間関係や仕事などに悪影響を及ぼしているにも関わらず、特定の物質や行動をやめたくてもやめられない状態を指します。
依存症にはアルコールや薬物などに関連する物質依存症と、ギャンブル等の行動や習慣に関連する行動嗜癖があります。
これらは、特定の物質や行動を続けることにより脳に変化が起きることにより症状が引き起こされる病気で、本人のこころの弱さのため起きている現象ではありません。
(倉光病院:「アルコール家族勉強会ハンドブック」より一部改変)
アルコール依存症は本人の心がけの問題ではなく、病気です。
この病気については誤解や偏見(意志の弱い人、酒にだらしのない人など)がまかり通っており、正しく理解している人は少ないのではないでしょうか?
アルコール依存症とは、アルコールをコントロールして飲むことができなくなった状態です。 酒を少量でも口にすると、ほどよい量で切り上げることができず、やがて必ず酒による問題を起こします。
つまり、適度に飲みながら正常な日常生活を送るということは、もはやできないのです。 アルコールの持つ依存性によって、アルコール依存症が発症したのです。
- 1. コントロール障害:少量でも口にすると、程よい量で切り上げられない。
- 2. 離脱症状(身体依存):アルコールが切れたとき出現する。
- 3. 強迫的飲酒欲求(精神依存)が起こる。
- 4. 飲酒による弊害が起こっているにも関わらず、酒をやめられない(価値観の逆転)
*1、2を特に、アルコール依存症の2大特徴と言う。
- 1. 習慣飲酒が始まる
機会あるごとに飲む。気分の高揚を求めて飲む。酒に強くなる(耐性の形成)。酒量の増加 - 2. 精神依存の形成(依存症との境界線)
ほとんど毎日飲む。リラックスするのに酒が必要。生活の中で飲むことが優先になる。 - 3. 身体依存の形成(依存症初期)
酒が切れると、寝汗、微熱、下痢、不眠などの軽い離脱症状。飲む時間が待ちきれずイライラする。
家族が酒を控えるよう注意し始める。 - 4. トラブルが表面化(依存症中期)
離脱症状、病的な飲酒行動、家庭内のトラブル、ウソ、隠れ飲み - 5. 人生の破綻(依存症後期~末期)
酒が切れるとうつ状態や不安に襲われるため飲む。
連続飲酒発作、離脱時の幻覚、肝臓その他の疾患の悪化などで、家庭や仕事を失う。最後は死に至る。
*慢性進行性で死に至る病気。30代で発病し内科を受診し、40代で精神科に入院し、50代で死に至るという経過がよく見られる
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アルコール依存症に治癒(飲める体に戻ること)はありませんが、回復することはできます。
一滴も飲まない「断酒」を続けることで、健康を取り戻し、社会生活を送ることができるようになります。
ギャンブルで借金が膨らんでもギャンブルがやめられない人は意志が弱いからと思われてきていましたが、精神的な病気であると認識されてきています。
パチンコ・スロット・競馬・競輪・競艇・オートレース・麻雀等など合法・非合法に関わらず様々なギャンブルがあります。
アルコール依存症と同じように慢性進行性の病気ですので、年月を重ねる毎にひどくなっていき借金してまでも、ギャンブルにのめり込んでいきます。ギャンブルが悪いとわかっていてもどうすることもできずやり続けてしまいます。
何故こうなるかというと、ギャンブルの持つ依存性によってギャンブル障害が発症したためだといえるでしょう。
(a)持続的に繰り返されるギャンブル
(b)貧困になる、家族関係が損なわれる、そして個人的生活が崩壊するなどの、不利な社会的結果を招くにもかかわらず、持続し、しばしば増強する
進行の過程はアルコール依存症と共通点が多いようです。
ギャンブルには多額の借金がからみ、アルコールは関連身体疾患があるなどの相違点があります。
久里浜医療センターのギャンブル依存症治療部門より引用させて頂いております。
アメリカ精神医学会の診断基準「精神疾患の分類と診断の手引き」第4版(DSM-Ⅳ)参考に作成。
- ギャンブリングにとらわれている。
- 興奮を得たいがために、掛け金の額を増やしてギャンブリングをしたい欲求が生じる。
- ギャンブリングをするのを抑える、減らす、やめるなどの努力を繰り返し、成功しなかったことがある。
- ギャンブリングをするのを減らしたり、またはやめたりすると落ち着かなくなる、またはいらいらする。
- 問題から逃避する手段として、または不快な気分を解消する手段としてギャンブリングをする。
- ギャンブリングで金をすった後、別の日にそれを取り戻しに帰ってくることが多い。
- ギャンブリングへののめり込みを隠すために、家族、治療者、またはそれ以外の人に嘘をつく。
- ギャンブリングの資金を得るために、偽造、詐欺、窃盗、横領などの非合法的行為に手を染めたことがある。
- ギャンブリングのために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらす、または失ったことがある。
- ギャンブリングによって引き起こされた絶望的な経済状態を免れるために、他人に金を貸してくれるように頼ったことがある。
□にチェックが、5個以上ついた方は要注意です!